南花屋敷の住まい

住まいの中の階段の吹抜から光が注ぎ
その周りを巡る回遊式の住まいです


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設計概要

《階段:光の仕掛け 緩やかな仕切り》
この住まいは、ご家族の一人一人が創造的に、個性的に生活をされている、そのような方々のための、虚飾を排した素で合理的な器として計画されました。アトリエを持つ二世帯の住居です。テレビドラマに見られるような家族団欒のリビングの風景にも、ホーム雑誌に見られるような寝室のイメージにも違和感を覚えられ、裸のままの空間に自らの感性で生活を創り上げていく、そのような「場」が求められました。

高齢のお母様の室と共に共用のスペースを1階にバリヤフリー仕様として設け、一方、高さ制限により充分な天井高さを確保できない3階を、ほぼワンルームの形状としてご夫婦とお嬢様の室としています。それらの日常生活のスペースに挟まれ、2階には独立性を要するアトリエと洋室が配置されました。住まいの中央に位置する階段の両側に「公」の廊下と「私」の廊下を渡し、2階のプライバシーを確保する手立てとしています。この階段は、1階から3階まで上部が吹き抜け、トップライトからの光に満ち溢れています。1階ではこの階段を天空からの光の装置とするとともに、室と室とを緩やかに区切る仕掛けとしています。この階段と4枚の引き戸、そして可動式の押入により、室の有りようは固定されず曖昧なものとなりました。
上っていく階段の正面、3階では美しい日本画の作品が壁面を飾っています。

敷地の西側には交通量の激しい道路が走り、その振動・騒音と共に西日を遮るよう開口部はコントロールされ、他の3方は密接して建つ隣家とぎりぎりの距離を保ち、素の仕上げのまま、住まいは寡黙に建ち上がっています。       

建築概要
          
  • 敷地面積:125.12㎡
  • 建築面積:70.28㎡
  • 延床面積:161.52㎡
  • 規模構造:鉄骨造 3階建 ロフト付き
  • 設計期間:2001/09~2002/09
  • 工事期間:2002/09~2003/05
  • 設計監理:木村哲矢建築計画事務所
  • 施  工:野田建設株式会社
  • 撮  影:平井美行写真事務所